2022年2月3日木曜日

この子はできる子だから

21年12月の失業率は2.7%に改善、求人倍率は1.16倍に改善 雇用問題
https://www.fukeiki.com/2022/02/unemployment-rate-21-12.html
日本の失業率「2.9%のはずはない」という根拠 | 野口悠紀雄
https://toyokeizai.net/articles/-/373385

 失業率はGDPと並んで景気の指標になります。GDPだけいじって、こっちを放置するということは不自然なので、失業率もいじられていると考えるほうが自然でしょう。
 そもそも失業率やGDPを偽る理由は何かといえば、本音は選挙のためです。しかし、建前では社会不安を招かないためとなります。失業率が上がり、GDPも悪化すれば社会不安が増大し、ますます失業率が上がり、GDPも悪化するという負の連鎖に突入するからです。だから統計をごまかすのは負の連鎖を防止するために仕方ないことだ、必要悪だとごまかすわけです。

 もちろんその主張は間違っています。統計を偽造すれば誰も統計を信じなくなり、正直に公開する以上に社会不安を招きます。
 たとえば日本の経済は労働者の流動性が低いことが問題だといわれています。その流動性が低いことの証明が失業率の低さです。この失業率の数字がじつは操作されたものであった場合、どうなるのでしょうか? ここ十年ほど日本経済の弱点として語られてきた流動性に関する議論がすべてひっくり返るわけですから、経済政策を構築することもできなくなります。

 また、統計を偽造することで不景気なのに好景気と誤認することによる弊害も非常に大きいものです。
 不景気になれば企業や家計は将来のために投資をしたり、組織の再編に取り組みます。しかし、不景気を好景気と偽れば投資や再編をする理由がなくなります。これが平成から令和にかけて日本企業と経済が成長せず、じょじょに競争力を失っていった理由になるのではないでしょうか。
わかりやすくいえば、「この子はできる子だから」と自信を失わないように甘やかし続けた結果、日本経済は沈没した。そういうことになる。

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