「東日本大震災の実体験に基づく災害初動期指揮心得」という本を読んだ。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00S8UXG9G
著者は国土交通省の東北地方整備局。東日本大震災の災害復旧を指揮した部署が記したガチの内部文書。kindleで無料公開されているので興味がある人は読むことをおすすめします。
内容は、大震災時に東北地方整備局がどのような対応をし、それがどういう意図に基づいたもので、災害復旧するに当たってどの程度のリソースが手元にあって、それをどう活用したかということを延々と書いています。
読んで面白い逸話的なものは最小限で、震災によってこういう事態が発生し、それに対する東北地方整備局の備えはこうだった。これは効果があったが次はこうした方がいいという羅列なので、本職の人以外は「へー」で終わってしまう。
しかし、あとがきで、震災時に地方整備局にちょうどいい装備や、英雄的な決断ができる職員がいたのは偶然ではなく、これまでの経験から割り出した分析を元にマニュアルを作り、英雄的な決断ができるように訓練したので必然だったという話が出てきて、この本の読後感が一気に変わった。国土交通省には、凡人を英雄に変えるマニュアルがあり、それが災害のたびにアップデートされている。これってすごいことですよ。
同じことを政党でもやって、凡人な議員を英雄な議員に変えてほしいものですが無理なんですかねえ。選挙でも政策でも同じ失敗を狂ったように何度も繰り返して反省しない人たちばっかりですし。
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