2024年3月6日水曜日

「新卒と給与が変わらない」問題

ちょっと、所用で更新できないので、かわりにどうでもいい話をペタリと張っておく。

弊社、優秀な新人を入れようと初任給を上げた結果、へき地で激務をこなしてる中堅が「新卒と給与が変わらない」と憤慨してごそっと辞めてる - Togetter
https://togetter.com/li/2325917
 「新卒と給与が変わらない」問題、給料上がらなかった世代は30年も上がらなかった(正社員ですらそうだから、派遣はもっとひどい)。もうしばらくするとメディアが取り上げて一般でも話題になるだろうけど、3年ならともかく30年だからなあ。会社が30年分まとめて払えるわけがないので、この問題はどうやっても根本的には解決しない。

 現実的に考えると昇給は人数が少なく、売り手市場な若手からやっていくことになる(若手の昇給は少子化対策という意味もある)のだろうけど、そうすると中堅が不満を持ってやめてしまう。若手がやめるより中堅がやめるほうが会社としてはダメージが大きいので、むしろ若手の昇給はやらないほうがダメージが少ないと、会社は考えるだろう。結局、全社一斉でなければ昇給はしないということになりそうだが、それは業績が伸びて財務に余裕のある会社にしかできないわけで、そんな会社がこの物価高/需要減少の現状でどれだけあるのかという話。

 つまり、政府の推奨する全国一律の昇給なんて夢のまた夢。となると、さらに日本人はさらに貧乏化し、内需も低迷することが確定している。それでも日本市場の株価は毎日のように上昇している。このところの株価は日本経済の実態を反映せず、中国市場から逃げてきた金を吸い上げているだけなので、金の流れ先が変わったとたんに売られて暴落することになるのが目に見えている。政府が推奨するように投資で生活を成り立たせるにしても、潜在リスクが高い状況なわけだ。リスクが少なく安定している不動産も、人口減少社会では投資対象としては微妙。そうなると海外への投資だが、ミセスワタナベ(日本の民間投資資金のこと。主婦層が多いことが特徴で「ミセス」と呼ばれるが、資金量が多いかわりに素人っぽい投資をする。一時期、FXで大損をこいてカモにされた)でも儲けられるような環境を安価に構築した会社がこの膨大な金を独占できることになる。

 ソフトバンクとかソニーはそう考えて動いているのだろうが、独占には至っていない。そこを独占した会社が次代の日本の成長分野になるのだろう(イギリスもそんな感じで金融が成長部門だった。過去形だけど)。でも、昇給の問題でこのまま若手が貧乏になり、資産を形成できなければ、ミセスワタナベの規模もどんどん小さくなっていくわけで、日本政府は次世代の成長分野を芽のうちにつんでいることになる。いまさらだけど、政府はそこまで考えていないから、そういうことができるのだろう。さらにいえば、中国や韓国など日本の後追いをしている国家にとってもこれが最短ルートの復活路線になるわけだが、日本以上に噂に踊らされるお国柄だから、簡単にカモられて投資に向いてないんだよねえ。

 というか、世情がこうなると素人が投資で小遣い稼ぎをするのは、今まで以上に難しくなってくる。政府のいう投資生活は、国民が貧乏になればなるほど、どんどん実現度が低くなってくるわけだ。そうなると投資ではなく実業で稼がないと行けないわけだが、その実業部分がこの30年で劣化が著しい。それはそうだ。人材に金をかけないからこうなったのだから。ともあれ、なにをするにも国内の需要を高めないといけない。まず、江戸時代の田沼時代や昭和バブルのように消費は美しいというのを文化として復活させないといけないのだが政府も企業も国民も完全にそれと反対方向に向かっている。さて、どうしたものか。

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