所用で更新する時間がとれなかったので、代わりに駄論を貼っておきます。
最近、広くいわれているのは、バブル後の日本経済が停滞した理由はサラリーマン社長が増えたからというもの。創業社長が持っていた新商品を作る力が失われ、かわりに組織を効率的な形に再編する(リストラする)ことを経営の仕事と心得る経営者が増えたから、と。
再編のどこが悪いかといえば組織の効率化をしたところで新商品は作れないところです。組織の効率化で短期的には収支は良くなりますが、長期的には新商品のでない会社は凋落します。
経営者は新商品を創出することを目的に組織を再編すべきであって、組織を効率化することを目的に再編すべきではないと、ドラッカーがそんなことを書いていた気がしますが、日本経済の現状がまさにそれです。組織の効率化はすすめるが、新商品は出てこない。まさにバブル後の日本経済です。
バブル後に流行った組織の効率化とは要するに人減らし(リストラ)です。次世代の商品を作れる人が会社に残ればともかく、そういう人ほど真っ先に辞めていき、新人の教育も費用をかけずおざなりになったのは当時も問題になりました。そうやって新商品を作れなくなった会社は売上を維持するために、さらに組織を効率化し、リストラをし、新商品を開発できる人材が減っての悪循環になります。最後には外注で新商品を作らせようなんて話になりますが、外注した新商品の良し悪しを判定できる人材すら社内に残っていないという笑い話のような状況になって、ついに新商品開発そのものをあきらめ、古い商品のガワだけ変えて新発売とするのです。
まとめると「ヒットする新商品を作れる経営者は有能」ですが、「それができない経営者は無能」と区分けができます。経営者は「利益を出せば有能」「株価が上がれば有能」というのが相場ですが、そういう評価軸そのものが間違っていたということになります。その評価軸では短期的な利益を求めてリストラを繰り返し、結果的に自社を焼け野原にした経営者が有能に分類されるからです。この視点が、日本経済を批評する人間に致命的に足りていない視点かなと。
であれば、無能な経営者を有能に変える方向もわかります。バブル後の働き方改革はそれはそれで必要ではあったけれど、新商品を産み出す組織に再編するというステップを忘れたために、日本経済は失われた30年を経験してしまったと考えられます。ゆえに、これからは新商品開発マインドを経営者に埋め込むための改革が必要になります。そういう意味では、新商品開発系のビジネス書が書店で売れていない現状は、無能な経営者が多い証拠といえるのではないでしょうか。
2024年4月10日水曜日
なぜ日本の経営者は無能なのか。
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時事2024/11/25
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