本日、所用につきかわりに、駄文を更新します。
神話は、神話を共有する人間集団の共通思想です。
神話とは物語であり、物語には教訓や善悪や利得があります。それが民族の共通思想となります。
神話のない現代において、我々は物語を神話の代用品として消費しています。
たとえばアトム世代はロボットを肯定的にとらえるという思想が生まれました。
たとえば初代ガンダム世代はニュータイプという人の進化を肯定的にとらえる思想が生まれました。
では、現代の物語はどうだろうか。これといって1つの作品が流行っているとはいえないが、転生ものというジャンルが流行っていることは確かです。つまり、現世への無関心と転生への希望が現代日本人の共通思想といえるのではないか。これは、いかにも仏教的な思想だが、それだけなのだろうか。
うつ傾向の強い人ほど「異世界転生」で「生きがい」が得られる!
https://nazology.net/archives/152022
現代人は仕事やプライベートの影響で、「生きがい」がなくなり、結果としてうつ傾向の高い人が増えていて、だから「生きがい」が擬似的に得られる転生ものが流行っている。
そう考えるといろいろと腑に落ちる。昔の日本人はエコノミックアニマルと呼ばれ、仕事が「生きがい」な人が多く、だからこそ高度経済成長をした。しかし、氷河期世代は努力しようがしまいが、氷河期世代であるというだけで給料があがらなくなり、結果が出ない仕事に「生きがい」を見いだせない人が増えた。やりがい搾取とはよくいったもので、そういう労働環境が長年の間、是正されなかった結果、うつ傾向の高い人が増えて転生に希望を見出す人がほかの世代よりも増えたと考えるのは妥当だろう。
であるならば、現代の転生ブームが終わるのは、労働環境が是正され、仕事を「生きがい」にしても報われる社会になったときだろう。逆にいうと、それまでブームは終わらないのだ。
そして転生ものはアニメという形で世界へ輸出されていて、人気になっている。これは世界的にも「生きがい」が報われていない傾向があるのではないか。特に中国や韓国は日本人と仕事に対するメンタルが近く、現在進行形で日本の就職氷河期以上の氷河期が訪れていると聞くので、潜在的な需要が非常に高いのかもしれない。つまりこれらの国の流行を観察すれば日本を観察する以上にくっきりと影響が見て取れるかもしれない。
まあ、論文を書く気はないのでそこまではやらないが、この労働環境の是正はおそらく労使で意図的な食い違いが生じて、それゆえに解決しない問題なのだろう。意図的というのは、制度を歪めることで労使ともに短期的な利益につなげることができるからだ。よほどうまく制度化しないと、やりがい搾取が横行したり、ない袖は振れない理論で給料が上がらず、労働者が割を食う展開にしかならないだろう。というか実際そうなってるわけで、これはもう経営者のマインドを変える教育を施さない限り、どうにもならない問題だろう。
労働側も人気の仕事に殺到して、そうでない仕事には見向きもしない状態になっている。どの仕事を選んでも給料がどんぐりの背比べなら人気のあるものから埋まる。それだけの話で、その隙間を埋めるために派遣ができたが、これって本来、労働者に支払われるべき給料が派遣会社に流れているので、労働者から見てコスパはよくない。まあ、そのへんは派遣会社の質の問題になるので、これ以上は追及しない。個人的にはハロワにAIを導入して自動化できるところは自動化して、自動化できない部分を個別に派遣会社に投げるべき案件ではないか。将来的にAIの性能が高まれば派遣会社は不要になり、コスパもよくなるだろう。国はそのための技術開発にこそ、投資すべきなのだ。
さて、うつ傾向の高い人が増えているとして、予防ではなく治療をするにはどうしたらいいのだろうか。今まで、うつ傾向の人は性格が暗いと自他ともに考えられていたので治療するという発想はなかったが、うつ傾向とわかれば治療することも可能だろう。積極的に治療をすることで社会の生産性を比較的簡単に上げられるのではないか。というかうつ傾向は会社人だけでなく、引退した老人層(実質的な日本の支配層)にも認知症の影響のような形であらわれているだろう(下の段落参照)。この治療できるのに治療していない部分を治療するだけで、日本社会は我々が思っている以上に理性的に、そしてマシになるのではないか。
そうやって考えていくと少子化の問題もじつはうつ傾向が主犯だった可能性もあるわけで、性格や金のせいにして問題に蓋をするよりも治療で回復させた方がはるかにローコストで改善できるのではないか。
うつ病とは - 原因、症状、治療方法などの解説
https://www.smilenavigator.jp/utsu/about/
うつの具体的な症状と治療法は、上記の通り。うつは精神的なストレスだけではなく、認知症や糖尿病など肉体的な問題からうつが引き起こされることもあるので、自分はうつになる理由がないと思っていても、じつは……という可能性がある。
自覚症状のチェックのところ、わりとひっかかる人やもうちょっとでひっかかりそうな予備軍(つまり、うつ傾向の高い人)が多いのではないか。予備軍はそのページを読み進めていくと最後らへんのところに予防法がのっているので参考に。でもまあ、予防法ができる人は予備軍にはならないよなーとは思う。このあたり、小学校とかで予防法を習慣にするように教育しておくべき話なのだろう。家庭に任せると、うつ傾向のある家庭だと台無しになりそう。とはいえ、学校の先生の業務がブラックすぎて、うつ傾向になっているので、そっちの教育が先かな……。
2024年7月3日水曜日
転生物語と日本経済
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時事2024/11/26
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