2024年9月26日木曜日

右と左。

本日、所用で時事ネタは中止。かわりに前に書きためた論考を貼っておきます。

右と左。
 我が国の言論は、保守とリベラルという枠組みでは理解できません。
 なぜなら保守を名乗る政党のほうがリベラルで、リベラルを名乗る政党のほうが保守的だからです(なんやねん、リベラルなのに「護憲」って。リベラルなら改憲せえ)。
 リベラルを名乗る政党が保守になった理由は簡単です。リベラルというのは従来の政策がうまくいかない理由を探し出し、それに対する対案を提案することで国民にアピールし、政権交代を実現する政党です。民主党が自民党から政権を奪ったときは、たしかにリベラルでした。もっとも提案を実行に移す段階で提案が間違っていたり、実行法が間違っていたり、それでも強引に実行して失敗したことはご承知の通り。
 民主党が分裂して支離滅裂になった野党は批判だけして提案をしないスタイルの政党になりました。問題を「探し出す」政策を「提案する」という2つのアクションには相当の勉強が必要ですが、勉強が嫌で逃げだしたと解釈できます。つまり彼らは自民党以上の保守政党になったわけです。なにしろ自民党が改憲するというと反対するレベルですから。
 なぜ野党が勉強が嫌で逃げだしたかというと、彼らの母体が共産主義だったり、学生運動だったことが理由です。どちらも団体としては解散状態であり、理論の研磨も半世紀前に止まっている学派なので、勉強したところで知識が増えるわけではありません。それどころか時間がたてばたつほど現代にそぐわない古臭い思想になっていきます。かといって、現代に合った思想に乗り換えることは共産主義や学生運動を裏切る行為なので内ゲバが起こります。そのあたりは野党の内紛を見ていればわかるかなと。ついこの前も、共産党が代替わりで前任者の路線踏襲を表明していましたし、そうしないと内ゲバ必至ですからね。
 もっとわかりやすくいうと、学生運動がたけなわだった時代なら、護憲という主張は当時でも古くさくはあったものの一定の説得力がありました。しかし、それから半世紀もたった今、護憲という思想はさらに古臭くなり、選挙民を説得する力はゼロになっています。それにもかかわらず、リベラルを自称し、護憲を振り回す野党が選挙で勝てるわけがない。
 反対に、自民党がリベラルになった理由は、彼らの比較対象である野党が超保守的だから、自分からリベラル的な提案をしないと変動する環境についていけず、政治にならないからです。それでも自民党の根っこは保守であり、リベラル的な提案は性に合わないのか徹底せず、バブル後の環境の変化にも対応できず、日本経済の首をゆっくりと絞めたことはご承知の通り。
 要するに野党はいい加減、新しい政治思想を勉強しろという話です。自民党の政治思想より先進的かつ合理的な政治思想はいくらでもありますし、大学の政治学や経済学の先生に講演させたら聞いているだけで勉強になります。やればできるんです。でも、その気が全くないから、いつまでたっても勉強しないし、勉強するやつは自分の権力を脅かす敵だと認識して、内ゲバで殴って党から追い出す。それが野党の正体です。選挙民はそれをわかっているから支持されない。それだけの話です。

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時事2024/11/26

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