本日、所用で更新なし。かわりに、アメリカの将来予想をする。当たるも八卦、当たらぬも八卦の精神でご笑覧あれ。
トランプが最初に大統領になった時もそうだったけど、トランプの主張する「事実」や「思想」が陰謀論の影響で、あきらかにおかしいときがあります。いま、やらかしている関税問題や、ウクライナ抜きの和平交渉も陰謀論の影響が強く、ひとりよがりなためアメリカ人の支持者もついていけていない。
で、困ったことにトランプの陰謀論はすべてがすべて陰謀論ではない。民主党や歴代の政権がやらかしたアレコレに対する暴露情報もあり、それらは有用な情報でしょう。問題は陰謀論が玉石混交の情報で、精査されていないこと。クズ情報に基づいて政治をすればクズな結果になり、政府の失点となる。野党であるあいだはそれで問題ないが、与党となったらその影響は計り知れない。
だから失点を避けるために、トランプが持ち出す陰謀論のどれが「事実に基づいている」ないし「政治的に合理的」なのかということを側近やマスコミ、野党も精査しなければならないのだけど、これがどうにもうまくいかない。
トランプの知能がことさら低いわけではないので、適切に証拠を揃えて説明すれば失敗する前に行動を修正してくれるはずと考え、共和党の穏健派が誠意を尽くして説明し説得してきたが、その説明や説得は届かず、彼らはクビになった。そのへんの回顧録を読むと説明の仕方が悪かったようにも思える。政治家は教師ではないので、頭ごなしに𠮟りつけるように説明する人も多い。そりゃクビになるよねという感じ。それはそれとして、トランプは新しいことを学べる年齢ではない気もする。
そもそも、トランプは一度失脚し、大統領に返り咲いている。その間に、陰謀論に染まっていない共和党の穏健派はパージされ、陰謀論の信奉者が共和党の中枢におさまった。在野のマスコミや知識人は民主党色が強すぎてトランプの耳には届かない。つまり説得する人がそもそもいなくなっている。
こうなるとトランプ本人への説明や説得はあきらめて、陰謀論のほうを解体をすべきなのだろう。でも、陰謀論は誰が流布させ、誰があおっているのかわからない。これを調べていくと、その調査自体が陰謀論扱いされる。八方ふさがりだからこそ、レンガを積むようにひとつひとつ再検証できる形で陰謀論の検証が必要になる。それは何が科学で、何が科学でないかの境界線を引くような地味な作業になる(そして線引きに失敗して頓挫する)。
ぶっちゃけ、陰謀論と隣り合わせな学問は歴史学だが、検証が厳密になると、断片的な事実から推論を重ねる性質の陰謀論も歴史学もだいたい死ぬ。それでもやらなければならない作業なので、おそらくこれからトランプが退任するまで、陰謀論の検証運動が世界中で活発になるだろう。これでトランプが幽霊の正体見たり、枯れ尾花と笑えるだけの知力があるなら、国中をひっくり返して陰謀論を総ざらえすることに意味があるのだが、トランプにそこまでの知力はなく、検証側とトランプの「物理」的なネガキャン戦争になるだろう。トランプの前の任期最後に起きた議会襲撃のようなことがまた起こるかもしれないわけだ。
ところでイーロンのやってるDOGE運動。極端ではあるが、陰謀論の検証をしているという意味では有用な活用ではあるかもしれない。ただ、成果を出すより、話題を作る方を優先している。もしかするとイーロンって、思想なんかどうでもよくて、次代の大統領になるための実績作りを優先しているんじゃないだろうか。
民主党はLGBTという陰謀論もどきの理屈で世界的な利権を作った。トランプも陰謀論で同じことをしているという考えもある。どちらがマシかという話ではなく、どちらもやめてほしい。普通に政治はできないのか。できないのだろうなあ。外から昨今のアメリカ思想を見ていると、民主党のリベラル思想は選民(リベラル思想以外は排除するという意味の)思想で、共和党の陰謀論は選民思想からあぶれた人間の逆選民思想。だからトランプはリベラル狩りをやっている。この選民思想同士の戦いは社会の分断といいあらわされる。日本と同じで上流と下流がくっきり、社会階層として別れてしまったゆえの分断。ガンダムでいえば、連邦とジオン的な分断。その行き着く先はどちらかの破滅。そうならないためには、クッション材としての中流の復活が必要。
第1次トランプ政権も末期は行き詰まったが、第2次もそんな感じになるだろう。そのあとに来る政府が、上流の選民思想である民主党リベラル大統領なら、同じことの繰り返しになる。そうではなく、上流と下流に分断されたアメリカに中流を復活させる大統領がくれば、アメリカ経済は復活するだろう。そして、その地ならしをするのはトランプになる。トランプの政策は、下流を中流にステップアップさせることが目的なので、地ならしになるのだが、地ならし以上のことは出来ない。玉石混淆の陰謀論を精査せずに経済政策をしたら、破壊はともかく再建はうまくいかない。クズ情報をもとにしたら、どんな計画もクズになる。下流もいつまでたっても中流になれない。
ゆえに、第2次トランプ政権では、中流は復活しない。トランプ以後の政権が、玉石混淆の陰謀論をどこまで精査できるか。アメリカの復活は、これにかかっている。民主党系も共和党系もてっきりそういう方向で動いていると思っていたが、まだそこまで考えていないっぽい(民主党は調べたくても共和党がソースを抑えてしまったので、やむをえない面もある)。
というのも、民主党は中道のサンダース一派をかつぎあげて、理性的な批判をするしか道はないのに、いまだに選民思想のバイデン一派を担ぎ上げようとしている。すなわち、民主党の中でも思想の分断があり、トランプが陰謀論から抜け出せないのと同じくらい、民主党は選民思想から抜け出せていない。であれば民主党はしばらく復活できず、トランプの後継者がどれだけマトモになるかがアメリカの将来予想で大事になるだろう。
マトモになるかどうかは共和党が脱トランプに向かうほどトランプが大失敗することが必要。そうやってトランプ批判で支持が集まるようになればいいのだが、それは議会襲撃以上の大失敗が……。世界がヤバイことになりそう。
2025年3月20日木曜日
トランプ大統領と将来予想
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