2025年4月23日水曜日

アフター自民党にふさわしい政党

本日所用により駄文を記す。

 いま、東京23区でさえ、個人商店は後継者不足で次々に畳んで、マンションになるか空き家になっている。個人商店の後継者って事務所と仕事場が一体化しているから、要するに息子とか娘の婿とか弟子とかなんだけど、非婚化や少子化で承継が難しくなっている。たとえば兄弟の数が多いとひとりくらいは継ぐ可能性があるが、ひとりしかいないと廃業する可能性が高くなる。
 このように現代では、血族を基本とする小さな会社組織が機能不全になっている。反対に、血族ではなく会社という形で組織を作ると個人商店よりスーパーやコンビニのような大規模チェーンが効率的になる。個人商店の集積であるアーケードも大半は潰れて、跡地にコンビニやスーパーが出店している。生き残っているアーケードもアーケード自体が会社化したところが多い。
 個人商店が急速にさびれていく理由は、血族をキーに組織を作るのにが時代にそぐわなくなったということだろう。では、会社形態ならなんでもいいのかというと、百貨店のさびれ具合を見るにそういう話でもない。百貨店がさびれた原因は、簡単にいえば中流が減少して下流が増えたこと。単価の高い商品が店舗販売からネット通販に切り替わったこと。この客層の移り変わりに対応できない百貨店は潰れていった。この客層の移り変わりも非婚化や少子化が変化のキーになったといえる。
 問題は、その潰れた跡地の再利用が進まないこと。冒頭に潰れた個人商店が、マンションになるか空き家になっていると書いたが、空き家になっているところは駅から徒歩3分にもかかわらず、20年近くそのまま。おそらく相続や権利関係があやふやで更地にできないのだろうけど、再開発すれば金になる東京23区でもそうなのだから、過疎が進んで再開発しても金にならない地方ならもっと再開発できないだろう。
 そういえば能登の復興が進まないというけれど、道路やインフラの問題以前に、そういう権利不明の空き家がゴロゴロあるのが問題という話を聞いたことがある。そんな空き家だらけの集落を、大金を投じて再建するのか? 行政としても考え物だが、住人としても再建するくらいなら、都市部や老人ホームに引っ越した方がと考えるのは自然だろう。そうやって人口が減れば、集落として機能しなくなり、残りたい人も残れなくなる。
 非婚化や少子化によって産業構造が一変し、かわって勃興したのは、ネット販売だ。土地も従業員もいらず、パソコンがあれば従業員すらいらない。そしてこの形態の一番いいところは、店舗もいらないこと。駅前に商店をだす必要すらないので、駅前の個人商店はますます再利用されなくなる。そして不動産も従業員もなくなれば、雇用というものもなくなる。雇用ゼロで会社が儲かるのであれば、それは生産性という意味で最強になる。政府が生産性を高めろと国民の尻を蹴っているが、それは雇用を減らすという意味でもある。このあたりを突き詰めると、非婚化や少子化は雇用ゼロを目指す社会において必然の結果とわかる。
 で、その雇用ゼロは国民が本当に求めているものなのかと、政党は選挙時に国民にたずねるべきだろう。なあなあで流すにはあまりにも問題が大きすぎる。つまり、そういう問題意識を持ち、国民に問える政党こそアフター自民党にふさわしい政党に成長するのだろうな。

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