2025年6月18日水曜日

台中戦争が近いうちにあるか?

今日はちょっと所用で時事はおやすみ。そのかわりの駄文です。

台湾で「中国スパイ」上陸が続発、軍事上陸の事前テストか?…戦争準備の現実味増す!
http://blog.livedoor.jp/corez18c24-mili777/archives/59198731.html
 台中戦争が近いうちにあるか?
 私はあると考えています。その理由は単純ですが、それを語る前に前提の部分を語りたい。

 日本が太平洋戦争で、なぜアメリカと戦ったのかというと、遠因に戦艦大和の建造をはじめとした軍事費の増大がありました。貧乏な日本が世界最大の巨艦である戦艦大和を建造できた理由として、とあるからくりがありました。
 当時、陸軍は日中戦争を戦っていて、巨大な軍事費を要求していました。海軍には、陸海軍は同程度の軍事費を毎年要求すべきだという思想があり、中国大陸でろくに戦っていないのに巨大な軍事費を要求します。
 普通の国なら陸軍が軍拡したら、海軍は勝利に協力するため予算を減らすものですが、日本の海軍はそうは考えず、予算を増やすチャンスと考えた。政府も海軍による内閣転覆や軍事クーデターが怖いので、海軍の要求を承認。火事場泥棒的に巨額な軍事費が転がり込んできた海軍は、戦艦やら空母やらを大量に建造。この陸海軍の予算要求で日本経済はおかしくなるのですが、経済は海軍の職掌ではないのでシカトします。
 そして、戦艦や空母が形になったころ、アメリカが貿易を制限し、ハルノートで挑発してくる。これ、ハル「ノート」であって外交的には、うちのルーズベルトはこんなことを考えてます的なメモ帳みたいなもの。あくまで考えであって、この段階では国としての正式な要求でもなんでもない。それなのに、日本はこれを根拠に開戦を決意する。
 なぜ決意したかといえば、いままで海軍は巨大な予算を要求し、戦艦や空母を作ってきて、いまさらアメリカに勝てないとはいえなくなったからです。陸軍と政府も海軍が戦いたいというなら、政府転覆やクーデターの危険性があるので却下はできない。
 いろいろツッコミ要素はありますが、当時の海軍について簡略にまとめると「計画性がなく、プライドばかり肥大した組織だった」ということになります。このあたりの事情というか心情は生き残った海軍将官の回顧録に書いてあります。しかしなぜか、教科書やら歴史書からは無視されています。まさか軍人のプライドが肥大した結果、後先考えずに日本や外国を巻き込んで自爆して、何百万人も死んだなんて書けるはずもないので、ハルノートが原因としたわけです。

 長々と語りましたが、要するに太平洋戦争時の日本は、国としての計画性がなかった。経済がおかしくなるのを承知で軍拡に走り、アメリカからちょっとした挑発を受けただけで肥大したプライドが爆発して、勝てないとわかっている戦争に突進したという先例があるという話です。
 昨今の中国も、この状態に近い。中国経済は不調ですが、空母や揚陸艦など異常な規模で軍拡しています。台湾を占領したところで、中国経済の不調が好調になるわけではないので、中国政府の軍拡方針に計画性があるとはいえない。むしろ開戦したはいいものの、ウクライナ戦争や太平洋戦争のように戦争の止め時を見つけられなくなる可能性が高い。なぜなら台湾が占領されようと、日米が継戦を選べば、台中戦争は終わらないからです。その危険を直視せず、膨大な予算をかけて軍拡を続けているところから中国の指導者が、太平洋戦争時の日本のような「計画性がなく、プライドばかり肥大した組織」になっていることがわかります。これが、そのうち本当に戦争が始まるという根拠です。

 これ、別に国の話だけではありません。
 たとえば、計画性のない工場長が監督する工場があったとします。ライバル工場が新型の工作機械を導入して業績アップしたという話を聞き、プライドの高い工場長は負けてたまるかと銀行に借金して設備を更新します。普通なら、新しい設備にふさわしい高額な仕事の受注見込みがあって設備更新前をしますが、計画性のない工場長なので設備さえ更新すれば受注は勝手に来ると見切り発車します。
 もちろん高額な仕事なんて、先行した工場に取られて簡単に受注できません。でも、工作機械を更新したのに遊ばせていると、銀行が文句をいってくるので機械の維持費にも足りない安い仕事をとりあえず受注します。その上で赤字のつじつま合わせにベテラン従業員をリストラして、新人バイトで人件費を減らします。もちろん新人バイトを教育すると、高給取りになるので、教育をしないまま放置。やがて幹部人材がいなくなり、採算の悪い工場を再生することすらできなくなる。
そういうどこかで聞いたバブル後の氷河期世代をへて凋落した日本経済のようなお話に通じるわけです。国や経済がダメになるとき、そこには世界共通の理由があるという話でしょうか。

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